トラリピ等の各種試算表の提供や波乗りトラリピ(相関スワップ+うねりトラリピ)について考えます。
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では続きを書きます。
乖離グラフの上昇局面で利益を上げる方法は前回の記事を見て頂くとして、今回は下降局面での利益を上げる方法です。
結論から言いますと、キウイ円のロング、オージー円のショートをポジションします。
分かり易いと思うので前回の例で説明しますね。
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2011/12/22の終値を使います。
AUD/円・・・79.15円 NZD/円・・・60.4円
2通貨の差・・・79.15-60.4=18.75円
2通貨の差の移動中央値(直近1年間)・・・19.185円(これについては2通貨の差を直近1年分求め、その中央値を求めたものです)
移動中央値との差・・・18.75-19.185=-0.435円
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さてここから乖離グラフが下がった場合を見てみます。
前回の例で考えると
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Case2 オージー円が2円下降、キウイ円が1円下降し、乖離が縮んだ場合
>(79.15-2)-(60.4-1)=17.75円・・・18.75円より縮んでいる
>移動中央値との差は17.75-19.185=-1.435円
オージー円のロング1万通貨×2円=2万円のマイナス
キウイ円のショート1万通貨×1円=1万円のプラス
トータル-2+1=-1万円となりマイナス
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Case3 オージー円が1円上昇、キウイ円が2円上昇し、乖離が縮んだ場合
>(79.15+1)-(60.4+2)=17.75円・・・18.75円より縮んでいる
>移動中央値との差は17.75-19.185=-1.435円
オージー円のロング1万通貨×1円=1万円のプラス
キウイ円のショート1万通貨×2円=2万円のマイナス
トータル1-2=-1万円となりマイナス
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この2つが該当します。
今回は逆ポジションを持つのでキウイ円1万通貨ロング、オージー円1万通貨ショートです。
よって以下のようになります。
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Case2 オージー円が2円下降、キウイ円が1円下降し、乖離が縮んだ場合
>(79.15-2)-(60.4-1)=17.75円・・・18.75円より縮んでいる
>移動中央値との差は17.75-19.185=-1.435円
オージー円のショート1万通貨×2円=2万円のプラス
キウイ円のロング1万通貨×1円=1万円のマイナス
トータル2-1=1万円となりプラス
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Case3 オージー円が1円上昇、キウイ円が2円上昇し、乖離が縮んだ場合
>(79.15+1)-(60.4+2)=17.75円・・・18.75円より縮んでいる
>移動中央値との差は17.75-19.185=-1.435円
オージー円のショート1万通貨×1円=1万円のマイナス
キウイ円のロング1万通貨×2円=2万円のプラス
トータル-1+2=1万円となりプラス
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どうでしょうか・・・乖離グラフが下がった時に利益を出せますよね?
最初はここまで思いついたところでこれがサヤ取りという手法だと全然知りませんでした。
CFPの試験で裁定取引(アービトラージ)っていうのは習っていましたが、なんとなく近いものがあるな~っていうくらいの感覚でしたから^^;(実は先物取引をやったことのない仮勘定はあまりよく理解してなかったのは内緒ですよ?)
そもそも試験にサヤ取り手法なんて呼び方のものは出てきませんし(笑)
さて、いよいよ実践したいところですが、色々と呼び方が長くて面倒なので解説の前にまとめてみたいと思います。
オージー円のロング&キウイ円のショートの組み合わせをサヤ(取り)ロング
キウイ円のロング&オージー円のショートの組み合わせをサヤ(取り)ショート
乖離グラフでの上昇による利益をサヤ(取り)益、
下降による損失をサヤ(取り)損
乖離グラフ上の価格をサヤ値
サヤロングとサヤショートを両方持つことをサヤ両建て
と勝手に呼ぶことにします(マテ
ここまでの説明で、通常のトラリピのロングとショートにあたる売買方法が整いました。
利益追求派の仮勘定は両建てが大好きなので当然サヤリピも両建てします。
あれ?サヤ取り自体が両建てなのに、さらに両建て??って方も居るかも。なんとか混乱しないでついてきて下さい^^;
利益追及も大好きですが、リスク把握とその対策も重要なのでここで試算表を使います。
今回の戦略としては、証拠金を節約するためにサヤ価格0円より上をサヤショート、0円より下をサヤロングのサンドイッチ方法でトラリピを仕掛けます。
その代わり試算表を見て頂くと分かりますが通貨量は1万通貨で多めになっています。
3種類の中央値が出てきますがこれは手動で入力してます。Excelで計算させてますが、ちょっと位ずれてても維持率がちょっと動くだけでそれほど厳密でなくても良いと思います。
そして必要証拠金の計算ですが、これはサヤロング、サヤショートそれぞれ単独で持った場合のものとなっています。サヤ両建てした場合の証拠金はForexなど大抵のFX会社は多い方に振れるのでオージー円の証拠金の多い方+キウイ円の証拠金の多い方で計算してください。
レバレッ400倍のFXDDの場合は証拠金は相殺らしいのでもっと少なくて済みますが、元々400倍なので国内に比べて証拠金は少ないと思うので、サヤ損益に比べたら微量なものだと思います。
そしてまたまた出てきたF・S/L。普通にヘッジしてるだけなんですが、個人的にF・S/Lと呼びます。
サヤ取りの良い所はある程度の乖離(サヤ)で2通貨は動くということなので、もしどちらかの通貨で暴落や暴騰が起きたとしても普通の1通貨での運用よりはサヤは一定値に戻り易いのではないでしょうか?
つまり、サヤ価格はいずれ0円に収束するはず・・・という仮定で実施しています。
上記仮定の場合、暴落や暴騰で初期サヤリピ設定レンジから外れても割と短期間でレンジ内に戻ってくるかと思います。
前回の記事で載せたグラフでも暴騰時は約3カ月、暴落時は1カ月で±5円のレンジ内に戻ってきています。
通常のF・S/Lの倍のスワップが必要になりますが、サヤ価格のレンジの戻り易さを考えるとなんとか耐えれそうな気がします。(仮勘定の設定場合最大で-400円/日)
次回は実践的な運用について考えます。
先週の記事ではただの異通貨両建てのスワップ狙いの部分だけ書いたところで力尽きたので今週はようやくメインのサヤ取り+トラリピの部分を考えていきます。
まず以下のグラフを見て下さい。
レンジを形成しながら刻んでてトラリピに良さそうな気がしませんか?
直近3年なら±5円でレンジが動いているのが分かります。
ではこのグラフはどのように作るのか順に説明していきます。
そもそも先週の記事でスワップ狙いだとリスクが高いのでは?と何となく気がつきました。そこで実際どうなのかを検証する必要があります。
オージー円とキウイ円では似たようなチャートを形成するので、その差に注目します。
オージー円の方がキウイ円より高値なのでオージー円-キウイ円を数年に渡って終値ベースで計算しました。
・・・予想通り大体一定間隔の差が有りそうです。
ここからちょっとずつ工夫しますが、この辺りから普通のサヤ取り(実は余り知りませんが)から離れて行く気がします^^;
個人的に平均値よりも中央値の方が好きなので、中央値について考えました。(平均値は極端に偏った数値が入るとそちらに数値が寄ってしまうので)
先ほど計算したオージー円とキウイ円の差の中央値を計算します。
実際の計算では2007年4月~2011年12月までのデータを使い、15.88円と出ました。
ただ、この中央値は今回たまたま4年弱のものを使いましたが、移動平均ってものがあるし、移動中央値ってので考えてみようと思いつきます。
具体的には直近1年間のオージー円とキウイ円との差の中央値を順次計算していきます。(この辺りの計算はExcelのMedian関数で一発です)
あとは最後に最初に計算した差からさらに移動中央値を差し引き数値を出します。
言葉で書くと分かりにくいので実際の数値を例に挙げます。
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2011/12/22の終値を使います。
AUD/円・・・79.15円 NZD/円・・・60.4円
2通貨の差・・・79.15-60.4=18.75円
2通貨の差の移動中央値(直近1年間)・・・19.185円(これについては2通貨の差を直近1年分求め、その中央値を求めたものです)
移動中央値との差・・・18.75-19.185=-0.435円
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ここまで計算したものが何を表すのかが重要ですよね?
簡単に言うと、2通貨がいつも(直近1年)より近づいているのか遠のいているのかを表しています。
今回の例ではマイナスになっているのでオージー円とキウイ円が少しだけ近づいていると分かります。
このようにして求めたものが最初に載せたグラフとなります。
じゃぁ、それでどうするのか・・・ですが、まずは最初スワップ運用した場合について考えます。
12/22の時点でオージー円1万通貨ロング、キウイ円1万通貨ショートのポジションを持ちます。
仮にこの2通貨が全く同じ値動きをするとしたら為替損益は完全に相殺します。
そして、スワップの差(ロング100円-ショート50円=)50円が毎日入ることになります。
ただ、2通貨の差(以下乖離と呼びます)は縮んだり広がったりします。
これを具体例でいくつか考えます。
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Case1 オージー円が2円上昇、キウイ円が1円上昇し、乖離が広がった場合
>(79.15+2)-(60.4+1)=19.75円・・・18.75円より広がっている
>移動中央値との差は19.75-19.185=0.565円
オージー円のロング1万通貨×2円=2万円のプラス
キウイ円のショート1万通貨×1円=1万円のマイナス
トータル2-1=1万円となりプラス
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Case2 オージー円が2円下降、キウイ円が1円下降し、乖離が縮んだ場合
>(79.15-2)-(60.4-1)=17.75円・・・18.75円より縮んでいる
>移動中央値との差は17.75-19.185=-1.435円
オージー円のロング1万通貨×2円=2万円のマイナス
キウイ円のショート1万通貨×1円=1万円のプラス
トータル-2+1=-1万円となりマイナス
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Case3 オージー円が1円上昇、キウイ円が2円上昇し、乖離が縮んだ場合
>(79.15+1)-(60.4+2)=17.75円・・・18.75円より縮んでいる
>移動中央値との差は17.75-19.185=-1.435円
オージー円のロング1万通貨×1円=1万円のプラス
キウイ円のショート1万通貨×2円=2万円のマイナス
トータル1-2=-1万円となりマイナス
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Case4 オージー円が1円下降、キウイ円が2円下降し、乖離が広がった場合
>(79.15-1)-(60.4-2)=19.75円・・・18.75円より広がっている
>移動中央値との差は19.75-19.185=0.565円
オージー円のロング1万通貨×1円=1万円のマイナス
キウイ円のショート1万通貨×2円=2万円のプラス
トータル-1+2=1万円となりプラス
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以上相場が上昇しようが下降しようが、重要なのは乖離だけです。
縮まればマイナス、広がればプラスということですね。
ここで移動中央値との差に注目するとポジションを持った時には-0.435円だったのが1円プラスされ0.565円になったら損益もプラス、逆に1円マイナスされ-1.435円になったら損益もマイナスとなっています。
上記は考えやすくするために一つ一つの損益を考えましたが、結局は移動中央値との差の推移×ポジション通貨数で損益は計算できます。
最初に載せたグラフの-0.435円から0.565円に上昇すれば1円×1万通貨=1万円の利益となりますね。グラフ(以下乖離グラフと呼びます)は上に行けば乖離が広がり、下に行けば乖離が縮むということをもう一度踏まえた上で、スワップ狙いの場合の最大損益を考えます。
仮に乖離グラフの10円付近から一気に-10円まで落ちている箇所を見れば20円×1万通貨=20万円の損失となります。もらえるスワップが1日50円の割に厳しいかと思います^^;
なので乖離グラフのなるべくマイナスの時にポジションを持てば含み損をそれほど抱えずにプラスになる確率はかなり高いと思います。ただ、乖離グラフを見てもらうと分かるのですが、そんなに頻度が多くない=エントリーポイントが少ない気がします。
元々長期スワップ派の方ならそれでも良いのかもしれませんが、もうちょっと利確したいですね。
乖離グラフでは0を中心に上下しています。
これは元々乖離は一定になるようになっている(移動中央値を用いることでそう調整している)ので当然かもしれませんが、0より下でポジションを持ち、持ったポジション以上になったら決済するということを繰り返すことで利確を重ねることが可能です。
なんだかトラリピっぽくなってきたと思いませんか?
でもまだ終わりません。乖離グラフの0より上でエントリーする方法もあるのです。
って含みを持たせるまでもないですね^^;
単に逆のポジションを持つだけだったりします。
・・・長くなったので今回はここまでで。次回は逆のポジションからのエントリーについて書きます。
#追記
移動中央値を使っていましたが、EA化する時に計算ロジックが面倒かもしれないので移動平均値でもグラフ化してみましたがほとんど変わらないことが分かりました。
ちょっとリスク管理とは違いますが、寄り道して記事書きます。
トラリピのリスクとか考えている時にふと気がついた異通貨両建て。
異業種両建てはいくつかのブログで紹介されてたりしますが、異通貨両建ては見ないよな~ということで実はずっと考えていました。
(実は異業種両建ても興味があったのですが、口座が違うのでロスカットに耐えるのに結構な資金が必要な気がして、なんとなく遠慮してしまったのです^^;)
そもそもM2Jの動画セミナーでキウイ円のトラリピを勧められ、ずっとキウイのチャートを見ていたのですが、色々な方のブログを見ているとオージー円でトラリピをやっている人が圧倒的に多いという事実。
オージーの方がいいのかな~って思ってチャートを見ていたら何か同じような波形が。。
(似てるよな~この2通貨って。何か出来ないんかな??と考えます)
異業種両建てがスワップ差での収益を狙ったものだったので、当初自分も異通貨両建てでスワップを狙ってみたいと思っていました。
具体的にはFOREXでは、1万通貨当たりオージー円はロングが100円、ショートが-50円
キウイ円ではロングが40円、ショートが-50円なので、仮にオージーとキウイが同じような動きをするとした場合、オージーロングを10万通貨、キウイショートを10万通貨ほぼ同時に成り行きで建ててみました。
これで為替リスクをヘッジしながらスワップを一日あたり(100-50)×10万通貨=500円得ることが出来るはずだと思います。
でもこれってどちらかの国で地震とかあって片方の国が暴落したりすると為替リスクとんでもないんじゃ・・・?と気がつきます^^;
長くなったので続きは次回・・・損失の検討へ